Bさん担当の現場です。
工事部は私とTさん。3人で設置してきました。
まずは既設のフードと換気扇の撤去。
新しく設置するフードは大きくなります。オーナーさんは換気扇をそのまま使うことを希望されましたが、家庭用の換気ファンだったこともあり、必要換気能力に対して半分以下の換気能力しかなかったので、新しい換気装置をご提案させていただきました。
天井裏の作業は一番体重の軽い私の担当。
フードとシロッコファン(換気扇)を吊り下げる寸切りボルトの仕込みから始めます。
自動レベル器を使って寸切りボルトの吊り下げ位置を決めていきます。
寸切りボルトが割り出された位置に固定できるようにアングルを取り付けます。
そのアングルに取り付けることで寸切りボルトを垂直に取り付けることができます。
上の写真の左の赤いラインは寸切りボルトに当たった自動レベル器のレーザーです。
ボルトの上から下まで垂直です。なんという精度!この精度必要なのかと少々疑問ですが、私のこだわりです。
さて、寸切りボルトの仕込みが終わりました。
シロッコファンの取り付けも完了。
ちなみにこちらのモデルは三菱のBF-23S3。
このタイプでは100Vで使える最大能力のものになります。
換気能力は1,900?/hです。
新たに取り付けるフードは2200×750mm。
必要換気能力の計算をしてみましょう。
計算方法は2通り。
?廃ガス理論量(排ガスではありません)
?排気フード面風速
です。
?はV=NKQ
?はV=AS3600
となります。それぞれの計算結果の大きい数値を採用します。
ほとんどの場合?の排気フード面風速の計算結果のほうが数値が大きくなります。
今回の現場でもフード下に設置するガス機器はガス消費量がそんなに多くないので、計算するまでもなく排気フード面風速のほうが数値が大きくなるパターンです。
実際の計算です。
V=2.12×0.68×0.35×3600
V=1816
V=1816
このようになります。必要換気能力は1816?/hということですね。
それに対してBF-23S3の能力は1900?/hですから、換気能力は足りているということになるんですね。
細かく言うとダクトを流れる空気の圧力は低下(圧力損失)します。
ダクトが長くなればなるほど低下しますし、さらにダクトの曲がり具合によっても圧力損失します。
圧力損失はダクトの種類によっても変わります。フレキシブルダクトは自由に曲がるので施工性が良いのですが、内部がなめらかでないので硬質ダクトに比べて圧力損失が大きくなります。
つまり、1900?/hの能力があるからと言って、その能力が100%発揮されるわけではないということです。
圧力損失はダクトに限ったことではありません。グリスフィルターの大きさや性能によっても変わります。とにかくいろんな要素があるのですが、基本となる計算は先に紹介した2つとなります。
さて、現場での作業です。
シロッコファンにダクトをつないでいきます。
ダクトのつなぎ部分にはゴム系ブチルテープ。
その上にアルミテープを巻きます。
最後にフードを吊り込んで完了です。
いい仕事ができたと思います。